「海のF1」とも呼ばれる世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」がアジア初開催で福岡にやってきました。
セーリングファンとしてはこの機会を逃すわけにはいきません。
決勝日のみの観戦でしたが、とても刺激的な1日となりました。
アメリカズカップとは
世界最古のスポーツトロフィーであるアメリカズカップの歴史は1851年まで遡ります。
1851年にイギリスで開催された第1回万国博覧会を記念してワイト島一周レースが行われました。
そこでアメリカから招待を受けたニューヨーク・ヨット・クラブの「アメリカ号」が圧倒的速さで優勝。
ビクトリア女王に
"Your majesty, there is no second, sir"
(女王陛下、2位などございません)
との言葉を残して優勝杯をアメリカへ持ち帰りました。
この一言が英国の大富豪たちに火を付け、幾度となく奪還するための挑戦が行われてきました。
紅茶王として有名なサー・トーマス・リプトンも熱心に挑みましたが、132年間に渡ってアメリカは防衛を続けたのでした。
…と長々と書いてしまいますので、この辺で。
ご興味のある方はWikipediaをご参照ください。
室屋義秀選手 曲芸飛行
レース開始前にレッドブル エアレースにアジア人初のパイロットとして参戦している室屋義秀選手がデモ飛行を披露してくれました。
世界トップセーラー達の走りの前に、世界トップクラスのパイロットが飛んでくれる!
なんて贅沢な日なのでしょうか!
しかも手を振ってくれました!素敵すぎるファンサービスです!
というか、あんな曲芸飛行をしながら片手を離す余裕があるんですね(笑)
SoftBank Team Japan
アメリカズカップには日本からもチームが参戦しています。
1992年から「ニッポンチャレンジ」として挑戦を続けてきましたが、2000年を最後に活動を休止していました。
それが2015年にSoftBankがメインスポンサーとなって復活。
世界最高峰ヨットレースに再び日の丸を背負ったチームが参戦することとなりました。
レースの様子(写真)
2015年7月から開催された前哨戦の「ルイ・ヴィトン・アメリカズカップ・ワールドシリーズ」も第9回の福岡大会で最終戦。
優勝がかかっていることもあり、各チームの気合の入った接戦が繰り広げられました。
写真を中心にお伝えします。
第4レース スタート直後の様子。
クローズホールドでのつばぜり合い。
ダウンウインドでの接戦。
下マーク回航での大接戦。
フォイリング(浮上)して快走するGroupama Team France。
ホーム戦最終日は苦戦が見受けられたSoftBank Team Japan。
最終レースは良いレース運びをしたSoftBank Team Japan。
レース開始時には微風だったのが、後半は中風まで吹き上がってきました。
フォイリングをはじめとしたスピードが武器のSoftBankにとっては苦しい1日でした。
最終レースは2位でフィニッシュを決めて一矢報いた形。
来年バミューダで開催される本戦での活躍を楽しみにしています。
セーリング界のBig Day
私が会場に到着したのは開場から約15分後の10時45分ごろ。
すでに場内にはたくさんの人だかりができていて、フェンス前は場所取りで埋まっている状況。
正直、出遅れました。
しかし、同時に感激しました。
この国でセーリング競技がこれほどに注目を浴びた日は今まであったでしょうか?
現地に数え切れないほどの観客が押し寄せ、全国ネットのテレビで即日ダイジェストが放送される…
過去2度ほどオリンピックで日本代表がメダルを獲得したことがありますが、ニュースの扱いは小さいものでした。
そんな時代にセーリング競技をしていた人からすれば、信じられない2日間でした。
これを機に日本でもっとセーリングファンが増えてくれますように!